出来上がったミノーを、アップストリームに投げる。
はるか上流の石の手前にポトリと落ちた。
さっそくリトリーブすると、苦しそうに横泳ぎをしながら戻ってくる。
ボディーバランスが悪いらしい。
ところがそんな出来損ないめがけて突進してくる魚がいる。
そいつはミノーの手前でギラリと輝き、やがて去っていった。
「魚がいるんだ!」と思うだけで幸せな気持ちになれる。
生物的気配のない渓流をさまよい歩くほど空しい釣りはないからだ。
横泳ぎをするミノーにアイ調整を施し、再度、別の場所へキャスト。
魚が追ってくる様子がクリアな水を通してよく見える。
しかし何度キャストを重ねても、水流が早くて魚がミノーをくわえきれない。
やがて「ゴツン」とルアーに接触、その後二度と追っては来なかった。
青宇治橋の下から撮影 |
アイ調整はとても重要である |
12個製作したミノーのうち5個の動きはまぁまぁだ。
そして別の5個は僕にとってのB級品、これは修繕して後ほど使用する。
残り2個の動きは気に入らないのでキーホルダーにして誰かにプレゼントするのだ。
プレゼントする相手は美しい女性と決めている。
しかし、希に試釣したすべてがキーホルダーに変わってしまうことがあり、そんなときは美しい女性を探すのにとても苦労する。
先日、75歳になる伯母さんの財布にtaki_minnowキーホルダーがぶら下がっていた。
時間はまだ8時半、対岸の浅瀬にキャスト。
そのままリトリーブはせずにロッドを立てて上方向に小さく躍らせる。
バシャバシャ!!強い魚信が手元に伝わる。
僕の雄叫びが谷間にこだまする。「逃がしたくない!」全身の筋肉が硬直している。
岩につまづき尻餅をついてしまった。取り込んでみると良型のヤマメ、がっちりとフッキングしている。
「何も慌てることはなかった、ゆっくり取り込めたんだ」
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